7月28日 GAK vs レアル・マドリード
 @グラーツ・アーノルド・シュワルツネッガー・スタジアム




この夏、ウィーンにいる姉のもとにしばらく世話になっていたある日、ぼんやり新聞広告などを見ていたらオーストリア国内でキャンプをしているサッカーチーム一覧とその練習試合日程表を発見!それがまたASローマにレアル・マドリードにアーセナル、トルコのガラタサライやチェコのスパルタなどかなり豪華・・・。オーストリアはキャンプ地としては有名らしいですねぇ−。しかし同じオーストリア国内といえど、ほとんどが遠い田舎の方で行われる試合ばかり。でもASローマだけはウィーンから電車で30分くらいの街に来て練習試合をすると言うので、姉が連れていってくれることになり、かなりやる気満々で「トッティにパヌッチにサムエルだわvvv」と浮かれていたら・・・なんとまあ、日にちを間違えて敢え無く断念。バカバカバカ自分のバカ!!!!!あまりのバカバカしさに立ち直れないくらいにショックを受けている自分を姉が気の毒に思ったのか、「それじゃーちょっと遠いがレアルを見に行こう!」と前夜にいきなりレアル・マドリード観戦1泊2日旅行を決意。フットワークが軽い姉妹でよかった。

レアルが来ていたのはウィーンから電車で南下すること3時間、オーストリア第2の都市と言いつつ実は超田舎のグラーツという街。レアルはここでキャンプをはっているのですが、この街の弱小チームGAKが創立100周年を迎えるので(弱くても歴史はあるんだなぁ)ついでに親善試合でもしてやろう!ということらしい。ちょうどレアルも100周年だし同じじゃん!みたいな。ちなみにGAKはドイツ語で「げーあーかー」と読み、(Grazer Athletik Klub)の略だとか。

(余談ですが現在名古屋グランパス所属のイヴィツァ・ヴァスティッチ選手が前にいたのはシュトゥルム・グラーツという同じ街のもうひとつのチーム。こちらは強豪。)

そして路面電車に揺られ、アーノルド・シュワルツネッガー・スタジアムに到着。名前から想像つくかもしれませんがあのマッチョな俳優アーノルド・シュワルツネッガーはグラーツ出身らしいです。しかし別にマッチョなスタジアムではなく、ささやかな1万5千人くらいの規模のスタジアム。いい感じ。

とりあえずショップでチケット購入。ほんとはちょっといい席とりたかったんだけどもうゴール裏しか残ってなくて断念。でも不思議なことに男と女じゃ価格が20ユーロは違った。レディースデーかなんかだったのか?まあ得してよかった。ついでに半分がGAK、半分がレアル・マドリードのデザインになってる本日限定の記念マフラー(15ユーロ)を購入。これがまた異様に長いので、私は首で蝶々結び、姉は頭に巻く。でも夏にマフラーはつらいっすね!首のまわりが!

まだ時間に余裕があるので街の中心に戻り、ぶらぶらしながら噴水のまわりでアイスを食べたりしていると、隣に座っていた兄ちゃん達が「サッカー見に行くの?」などと聞いてくる。マフラーが目立つからだ。何か話しかけてきたが自分はドイツ語はさっぱりわからないので姉にいちいち訳してもらう。

 兄ちゃん「マフラーいいね。どこで買ったの?」
    姉「スタジアムのショップで。今日限定。」
 兄ちゃん「どの選手が好きなの?」
   自分「フィーゴ!」(訳してもらわなくても万国共通)
 兄ちゃん「今日フィーゴが練習してるとこ見てきたよ!」
   自分「えー!?」

どうやら兄ちゃん達はかなりのサッカー好きでわざわざレアルの練習見学にもいってきたらしい。もちろんこれからの試合にも行く、と。なんだよ練習見学を自慢したかっただけかよ!まぁ、その兄ちゃん達とは「またスタジアムで会うかもね」と別れる。

スタジアムから離れた街の中心でも、だんだん周囲にGAKのユニホームを着た人、レアルのユニを着た人が増えてくる。ああ自分もレアルユニ持ってくればよかった・・・と後悔。バスの中ではレアルとの試合を喜びながらも「今日5−0で負けるんじゃないか」などと心配してるファンもいる。サポはどこの国でも同じだ。

スタジアム外も雰囲気がすごくいい。みんなビール飲んでて。自分は海外でサッカーを見たのはこれがはじめてです。圧倒的に高いオヤジ率、微笑ましい親子連れ、うるさいトルコ人の集団。「本格回転本場」とか適当な漢字を掲げておきながらちっとも回転してないテイクアウト寿司屋。オーストリア名物・シュニッツェル(子牛カツ)をこりゃまたオーストリア名物のパン・ゼンメルに挟んだ「うわ!オーストリア名物そのまんま!」みたいなシロモノをガツガツ食べてるおっさんたち。そしてチロル風ブラスバンドが演奏していて。こりゃうかれます。私はサッカーが好きですがスタジアムってのも大好きなんです。そして異様にうかれてる日本人姉妹ってのがまた目立つんだこれが・・・。大体アジア人なんて居なかったしね。女の子も少なかったし。じろじろ不審な眼で見られました。あまり珍しかったのか変だったのかプレスの人がうちらの写真撮ってましたね。何に使われるんでしょうね。不安。

スタジアムに侵入。チケットは駅の改札口みたいなとこに差し込む。不思議。雰囲気はすごくいい。やっぱりトルコ人がたくさん居たけど。観光客向けになってる中心地よりずっと「ここは外国だ!」という感じがした。

次第に客が増えてきて、なんだか試合前に100周年記念のセレモニーをやるらしい。会長があいさつしたり、市長が来たり。レアルの選手も何人かついでに挨拶に来たら、GAKファンのよくわからないパレードが始まってファンの行列がぞくぞくと現れあっという間にピッチ周辺を取り囲んでしまい、ロッカールームに戻れなくて困ってうろうろするレアルの選手。うわぁ貴重な光景だ・・・。しかしこんな田舎の弱小チームでも、100年も続いたらほんとファンがいっぱいいるもんですね。感動しました。商店街や通りでみんな小さな応援団を作ってるみたいです。愛されてるってのはいいもんだ・・・

そしてスピーチやらが終わったあと、アップをしに選手が再登場。
フィーゴがいるよ!富士額!モミアゲ!濃いから遠くからでもよく見える!
ジダンがいるよ!ハゲてるよ!(なんかハゲすらも感慨深い・・・)
そして極めつけはスペイン代表GKカシージャスですね・・・。
足に香水落としたカニサレスのアホっぷりがショックだったのでワールドカップの時は「はん!このホモが!(根拠無し)」とかやさぐれながらカシージャスを見てたんですが・・・ナマはスゲェ・・・アンタかっこいいよ・・・空気違うよ・・・。しかもサッカー専用スタジアムのゴール裏からってほんと近い。異様に「アハハハハッ」って感じの明るく爽やかな笑顔を振りまきながらアップするカシージャス・・・。彼の存在を今まで知らなかった姉もうっとり。(でもあんだけはりきってアップしてたくせに試合でなかったんだけどね!!)あと見なれないかわいい子がいるなーと思ってあとで調べたら新人ポルティージョ君でした。かなり濃いけど!

まあそれだけでもおなかいっぱいなんですが、さらに素敵なものを見ました。レアルのサブらしい選手(名前未確認)がふたりピッチの端の方でパスまわししていて、変な方向に飛んでいってしまったボールをボールボーイの子がうまく背中でボールを返して、客席から拍手喝采。そしたらそのレアルの選手はその子も混ぜて3人でパスまわしをはじめて・・・感動!優しすぎ!あの子にとっては一生の思い出だろう・・・!ていうか一緒にやってれば結局みんな同じサッカー小僧って感じでほんとイイ!わざと柔らかいボールや変なボールを蹴ったり。あああ優しい。優しいよお前ら!(それに車椅子の子はレアルのベンチのすぐ隣で観戦できたり。ほんといいよなぁ〜・・・王者の風格!)アップが終わったあとそのボールボーイの子は仲間にどつかれまくってましたけどね・・・。

そしてGAKの選手紹介。今季のレイソルと同じで、アナウンスが名前をいったら客が名字を叫ぶ、という方式。海外じゃこれが普通なのかな?そしてレアルの選手紹介はすこしくらいやるのかな?と思ったら選手紹介まったくなし。じゃあ電光掲示板に表示したりするのかな?と思ったらそれもなし。フルメンバーじゃないのに番号だけじゃ誰が誰だかわからないじゃないか・・・。翌日の新聞で確認したらこんな感じ。

  GK サンチェス 
  DF カンポ パボン ブラボ 
  MF フィーゴ カンビアッソ ジダン コンセイソン サルガド
  FW ポルティージョ グティ

ラウルさんやモリ男やロベカルがいなくてちと残念だがまあプレシーズンの親善試合。レアルはみんなゴージャスだからもう誰が出たっていいわい。

そしてキックオフ。GAKはとにかくよく走る懸命なサッカーをしていてわりと好感。それに対してレアルのディフェンス!パボンさんでしたっけ?もうひきずられっぱなしで見てられなかったっす!痛ェ!だいたい周囲はほとんどGAKサポなので、気づくとつられてGAKのチャンスに大喜びしたりしてる自分がいたり・・・。そして前半14分、クロスにブルンマイヤーが飛び込んであっという間にGAK1点目!アホっぽいファンファーレが響く。トルコ人大喜び。姉踊る。そしてウェーブです。初体験です。それが何周も何周も止まらん!誰か止めろ!!いつウェーブがくるのか気になって試合が観れん!

ジダンはワールドカップ以来まったく見てなかったから不安でしたがすっかり治ったらしく元気に走ってちょっとファンタジックなパスを出しては客にため息をつかせたりしてました。フィーゴたんは・・・サイドを走ったり中央に切れ込んだり・・・しかしどうしてこう連係が悪いの?!FWふたりも走っちゃいるが使えない・・・そして波に乗ってしまったGAK、さらにレアルを翻弄し41分に同じくブルンマイヤーが2点目!またファンファーレ!どうしちゃったんですかレアルさん!

ハーフタイムは姉がビールやソーセージを買ってきてくれて、ぼうっと過ごす。後半はやっぱりというかなんというか大幅にメンバーを入れ替えてきて、フィーゴもジダンもグティさんもさよなら・・・でも代わりにソラリ君とマクマナマン(姉は舌がまわらなくて言えなかった)が来たからいいや。しかしグティさん美形でしたなあ・・・まったく使えなかったけど。

メンバーも変わったし、さあもいっちょやるか!と思いきや早速GAKの3点目。でも自分は・・・レアルの選手を双眼鏡でチェックしていたため・・・見てませんでした。まさかそんな早く入っちゃうなんて!またファンファーレ。もう客の喜び方は尋常じゃない。自分も、1、2点ならまあどうにかって思うけど3点まで入ると・・・GAKの勝利を願いたくなってくる。大体GAKの記念試合なんだからGAKが勝つのがスジってもんじゃん!と思えてくる。なのでトルコ人と一緒に大喜びしてみる。ごめんなさいレアルさん。私強い人が好きなの、って感じで。(しかしキレてるスペイン人とかもいて怖かった)

しかし、ここで終わらないのがレアルマドリード。マクマナマンが遠目でもわかるくらいすっごい燃えてて、彼が一番よかった。惚れた。サビ男もよかった。俺が試合を変えてやる!という意志を感じた。ソラリ君は期待してたんですがいまいちキレのないプレーで、残念。ナマで見ると鼻の穴が大きいとか気づいてウケた程度だった。まあマクマナマンとサビオの頑張りのおかげでついに71分、サビ男が根性で1点返す(アウェイの洗礼ってことでスタジアムの反応皆無)。それからマクマナマンの捨て身のPKで3ー2まで持ちこす。自分はGAKのゴールでも大喜びしたのにレアルのゴールも大喜び。もう何だっていいんですよ、点が入りゃ。これならあと1点くらい入るかなーと思いましたがどちらも力尽きたらしくそのまま終了〜。

GAKサポはみんな大喜び。スタジアムに大音量で「GAKのテーマ」が流れる。「げーあっかーげーあーかー」と繰り返すばかりだが、これがもうだっさいことこの上ない。しかし妙にキャッチーですぐ覚えてしまう。姉と歌いながら帰る。見た目はかなりGAKサポだろう。いや、心もね。帰りのバスの中でGAKファンたちが歌い出した。(姉の訳によると「GAK100周年おめでとーおめでとー」とかいう歌詞だったらしい。)うわーワールドカップで見たアルゼンチン人思い出すよ!

まあレアルは負けましたが、GAKのほうがうまかったんだからそれも当然だし、点もたくさん入ってほんとにおもしろかったです。何よりもあの雰囲気が。はああ、次は本拠地スペインでフルメンバーが見たいなぁ・・・



Result: GAK 3-2 レアルマドリード
      14分 ブルンマイヤー
      41分 ブルンマイヤー
      49分 コルマン
      71分 サビオ
      78分 マクマナマン
  

Real Madrid Member:
GK サンチェス 
DF カンポ パボン(66.ロペス) ブラボ 
MF フィーゴ(46.マケレレ)カンビアッソ(46.マクマナマン)
   ジダン(46.セラデス)コンセイソン(46.ソラリ)サルガド(46.ミナンブレ)
FW ポルティージョ(46.サビオ)グティ(46.フェルナンド)





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