2008/10/19 (2) もってけキャプテンマーク

スタジアム周辺の道は閉鎖。バスは普段よりずいぶん手前に止まる。チケット売り場は長蛇の列。もらっといてよかったかも。

スタジアムに来ると逆にユニフォーム着てる方が目立たなくていいな。
荷物チェックを通り、さっそく座席へ。オフィスでの話と違って、一応エリア別にチケットのチェックがある。私はわりとホーム側応援席寄りのエリア。ただ試合開始後は自由っぽかった。けど途中で動くのも怖かったのでずっとそこにいた。ちなみに最前列も怖かったので後ろにいた。安全第一。


開始一時間前。



基本はユニフォーム。タトゥーがある場合は半裸。



電光掲示板…。いや、味があるよね…。


入口で何かパンフレットもらったけどそれは広告だけで、選手名とか載ってなかった。他のパンフレットを持ってる人もいるのをみて、隣のおばちゃん(一人で来てた、後に相手チームに対する罵詈雑言がものすごかった)に「どこでもらったの」と聞いたら、「入口。あなたもらわなかったの!じゃこれあげるわ!」と持ってたパンフレットくれた。それにはいろんなデータが載っててよかった。おばちゃんと話したりする。

相手側キーパーがアップしに登場した時点でやっぱりすごいブーイング。

ここで突然ですがスペイン語罵倒講座。スタジアムでよく聞こえた言葉だよ!

■「イホデプータ」
いわゆるサンオブアビッチ。

■「プート」
いまいましい。ホモ野郎。

■「マードレ」
こんちくしょう!
もとはお母さんという意味。マードレだけでなく、何かを繋げてお前の母ちゃんデベソ的な活用もある。

■「コンチャ」
《中南米》
1)ずうずうしさ
2)《俗語》女性の性器
3)殻
(白水社・現代スペイン語辞典より)

以上、機会があったら使ってください。

いつの間にかスタジアムはたくさんの人が。4万人収容だから、満員でなくとも3万人以上はいた。自由席のせいか、みんな意外と早めに来る。欧州って結構ギリギリまで外でタバコ吸ってたりするよね。

アナウンスが選手入場を告げると、みんな一斉に、紙吹雪!…といっても、配られたパンフレットをギタギタに引き裂いたやつで、吹雪と呼ぶには大きく、二階からバッサバッサ落ちてきて意外と痛い!きれいだけど!

そのとき爆竹も近くで鳴ってたけど、まわりには幼児もいるから、まぁ安全な席だよね…?と思ってたら、選手入場と同時に黄色い煙幕が。大変です。キリさんがまったく見えません。キリさんどころか5メートル先くらいまでしか見えません。煙はひどい臭いで、まわりのアルゼンチン人もみんな咳き込んで苦しんでる。何この阿鼻叫喚。子連れ親子はさっさと逃げていた。やっとすこし煙が消えたら、相手キーパーがゴール前に投げ込まれたトイレットペーパーを片付けているのが見えた。他に誰も手伝ってくれない。何か悲哀が感じられたわ。
熱狂的ホーム側応援席は、まだ黄色と青の煙幕に包まれてまったく見えない。そういうの、君たちどこで買ってくるのさ…。



うわぁぁぁぁ前が見えん。



選手がいるのにー!見えんー!


ちなみにその熱狂的ゾーンは二階で、座席の最前列と最後列がペアになって黄色と青の布を張ってる人たちがたくさんいた。最後列のひとはいいけど、最前列の人はみんな布に掴まっただけで細い手すりの上に立っていて、見ているだけで怖い。最後列の人が手はなしたらすぐ落ちるだろ。落ちたら一階にいるひとも大ケガだろ…。

気をとりなおしてピッチを見ると、キリさんいるよ!何年ぶりだ!数えたくもない!でもなんだか変わってないな!

私はそれからずっと5番を目で追っていたので試合については聞かないでいただきたい。
とりあえず前半にキリさん見てたら相手(ヒムナシアLP)が1点決めた。何?見てなかった。ここしょぼい電光掲示板しかないし。キリさんも離れたとこにいたから「あれ?」て感じ。後でニュースで見たらロサリオDFのオウンゴールだったらしい。しょっぱいな…

キリさんは相変わらず左サイドで、相変わらずスタスタと歩き、相変わらず腰に手を当てて立ち、相変わらず審判によく文句をいい、相変わらず素敵なクロスをあげ、相変わらずよく手の汗を尻で拭いていた。
そして御歳のせいもあるのかあまり広い範囲はカバーしてないみたい。攻撃攻撃っ、あ、守備にはあんまり関知しておりません、て感じ。一度ピンチのときに守備頑張ったら上半身から行っちゃってイエローくらってた。あー。
それからロサリオは左右コーナーキックもフリーキックも、PKあるときはPKも全部キリさん担当だ。ここまでくるともしやキリさんジャイアニズムでは、と心配になった。けどキリさんは一度たりとも「あーもうどこ蹴ってんの」みたいなボールは蹴らなかった。惚れ直した。だからプレースキック担当は信頼故なのだ、きっと。
一度、コーナー周辺に投げ込まれたトイレットペーパーが散らかってキックに邪魔だったときに、すっごい手際よくシュルシュルって巻いてぽいっと捨てて何もなかったように蹴ってたのがかっこよすぎた。相手キーパーと大違いだ。トイレットペーパーを片付けるだけでかっこいいなんてこのひと何。

相手のフリーキックではよくキリさん壁はをやっていた。かわいいなー。29番(ホナサン・ゴメス18歳)がそのたびにキリさんの手を取って並んだり腕絡ませたりするので(ちなみにその間キリさんの両手はしっかり自分の股間を守っている)、大変な十代の若造→キリに私の腐った部分がヒートアップした。マードレ。
しかしゴンサレスとゴメスという苗字だけ並べるとまったく萌え要素がないな。どうにかしてくれ。

あと、どうにも点が決まらず焦れたキリさんがドリブル突破したのがかっこよすぎて惚れ直したこと、キリさんの応援歌が意外と暗い曲調だった…ことも書いておきたい。


↓以下写りの悪い写真です。。。クオリティは気にせず愛を感じてください。


コーナーキック後だぜ!


相変わらず左サイドだぜ!


しっかり線審に文句も言うぜ!


執拗にいちゃもんつけるぜ!


コーナーは俺様のものだぜ!


いえーい


0-1で前半終了でしょんぼりイレブン。


ハーフタイム中には反対側の客席で何だか乱闘が起きていた。こっち側じゃなくてよかった…。

後半30分には、観客がやたらエキサイトしてきて、ロケット花火や打ち上げ花火が絶え間なくあちこちから飛び出す。こっちに飛んでこないか心配で、わーきれい、とか言ってられない。応援席からは煙幕再び。観客はみんな座席の上で飛びはねながら歌い、腕を振り回して興奮状態。そして相手側キーパーの前にも青い煙幕が投げ込まれる。一応、応援席前には網が張ってあるし、溝も掘ってあるけど、二階から頑張って投げれば届いてしまう。意味がない。

↓こんな状況














さすがにピッチ上に煙幕はられると、ちょっと試合中断っぽくなる。観客の興奮はさっぱり止まないけど、キリさんがおもむろに寄ってきて、手を上げたら一気に静かになった!なにこのキャプテン、男前!抱いて!キリ←ロサリオ市民な瞬間!しかしキリさんは線審に何か文句をいいに来ただけらしかった。いつものことかよ!みんな勘違い!

しばらくして試合再開。しかしロサリオはさっぱりだ。
試合終了前にコーナーキックになったとき、急いだキリさんが広告をひらりと!腰より高い広告をひらりと!飛び越えて自分でボール取りに行って、広告裏をスタスタ走って、またひらりと!飛び越えて戻ってきてまた何もなかったように蹴ったのにものすごい萌えた。トイレットペーパーに引き続き、こういうのが好き。だいすき。なんだこのときめき。

まーしかしロサリオはそのまましょっぱい試合で負けました。これでなんと最下位転落らしいです。キリさんはキャプテンマークを外してコーチに渡し、しょぼんとして帰っていきましてた。



しょんぼりキャプテン。


観客は選手にブーイング。早めに帰るかと思い席を立つと、意外とみんなそのまま座っています。選手は帰ったのに。欧州って試合終了前に帰ったりするよね。なんでかなーと思いながら出口まで来て納得。出口が閉鎖されている…。出られない。出口周辺には人がうじゃうじゃたまってる。しばらく観客を閉じ込めて、その間に選手を帰らせる作戦だ。なるほどね。それはバスも襲われなくて安全だわ。だけど外に出たい観客はだんだん凶暴化してきて、ゲートをガンガン蹴ったりしてる。こわいよー。15分くらい閉じ込められてやっとゲートが開く。流れる人の波に押し潰され「このままアルゼンチンでまさかの圧死!?」といやな想像がよぎるが、ゲートを過ぎたらすぐ普通になった。よかった。
一応見に行くと、予想通り、選手バスはもう消えている。近くに馬に乗った警察が7人整列していた。馬、ね…。



ロサリオ騎馬隊。


さて、帰るか。バスで帰るつもりだったけど、道が閉鎖されてたからいつもとバスのルートが違うな…タクシーも見かけないし。ホテルまで歩けない距離ではないけど、途中に何もない空き地が延々と続くから歩きたくない。5ペソのチョリソーサンドイッチを屋台で買って食べながら人の波に流され歩く。閉鎖されてなかった場所まで来るとバス停に人がいたのでいっしょに待つ。バスが来た。しかしちょうど左折ポイントだったせいで乗りたいアピールしても無視されてしまった。しばらく待つが来ない。いっしょに待ってた人は信号待ちのトラックに交渉して荷台に乗せてもらってた。あー。
犬を連れたおばちゃんが登場し、このバス停は左折ポイントで無理だからひとつ先のバス停までいけと言う。親切にどうも。でもなんか次のバス停、意外と遠いし暗かった。手前のバス停に戻ったほうが賢明だったかも。

そしてアルゼンチンの、誰もいない、住宅地のバス停に、ひとり。危険な雰囲気はないけど、暗いし、なんだかなあ。仕方なく、「まけないことなげださないこてにげださないことしんじぬくこと」とか「しんじることさーかならずさいごにあいはかつー」とか「そーさーひゃくぱーせんとゆーうきー」とか「はしるーはしるーおれーたーち」とか歌って待つ。20分後にやっとバスが来た。どうしてああいうときはああいう歌が口をついて出るのかな。

ホテルに帰ってフロントの兄ちゃんとサッカー話をする。兄ちゃんはロサリオにあるもうひとつのチーム、ニューなんとかオールドボーイズ(覚えられない)のファンなので「俺は今日ロサリオセントラルの試合なんて見ないでスタジアムの近くで映画みてたぜ!」と言っていた。





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