2008/10/21 君の心へ続く長い一本道をドナドナドナドナ荷馬車がゆくよ


※どうしようもなさすぎて読んでて腹が立つと思いますが勘弁してやってください

さぁ今日は朝一でパロスベルデスだぜ!と意気込んでいたものの、朝起きるのがつらい…体が重い…ので、結局出発したのは10時くらい。タクシーの運転手はパロスベルデスの場所を知ってたから、説明せずに済んだ。いろいろ話しかけてきて、「笑顔がいいね!」と言われたが、これは話がわからないときに返事を曖昧にしたり、早く切り上げたりするための、ジャパニーズスマイルっていうんだよ。

崩れそうな家が並ぶわりと荒れ果てた地域を通って、パロスベルデスにはセントロ北から15分くらい、18ペソくらいで着いた。周りは何もない。特に公道からパロスベルデス入口までがすごい長い。入口にいた兄ちゃんに聞くと、今日の練習は3時から。仕方なくそのままタクシーでいったんセントロに帰る。

ショッピングモールに行って昼食を食べたりネットカフェ行ったりする。

《乙女話警報》
そしてどうして朝起きられなかったかといったら答えは簡単、生理がきたぜ。私は遅れるのはよくあるけど早まるのは普通ない。今回は4日も早い。なんだそれまさかキリさんのせいで生理不順なのか私は。気持ちわるいやつだな!
ちなみに私は「具合が悪い!起きられない!なんでだ!病気か!」→「あー、アイツが来たか…」という流れを毎月繰り返してる気がする。そろそろすぐ察したい。
《以上》

また3時に再チャレンジ。今度のタクシー運転手はおじいさんで、乗ったときに散々確認して「道知らないなら他のに乗るから」と言ったのに、結局場所がイマイチわからなかったらしく、道を間違えて通行人に道を聞いたりしてた。私はキレ気味で「何やってんの?」と言いながら窓をカツカツ叩いたりする嫌な客だった。最後の方はじいさん多少怯えてた。外人女だからといってなめられちゃいかんと思うと強くなりすぎるな。すみません。

入口で練習が見たいと言うと、兄ちゃんはあっさり通して道まで教えてくれた。
パロスベルデスは総合スポーツ施設みたいな、ものすごい広い公園?だ。誰もいないけど。私はなんだか嬉しくなって、あー人生楽しいな!とか言いながら園内を走ったりする。ハハハ。



こういうところ


サッカー練習場の手前は、白い小さな建物(それがクラブハウスだ)の横に、ヒモが張られていて、木陰にベンチがある。練習を見るにはヒモをこしちゃいけないということだ。
そこには新聞記者とカメラマンがいた。ファンは誰もいない。



クラブハウス横の道。



手前のが「男子トイレ」ドアです



このひもから外に出ちゃだめ、ってこと。



見れてもわりと遠い



練習はもう始まってたけど、キリの姿はない。そこにいた新聞記者に聞いたら「キリ?建物の中にいるんじゃない?」とのこと。やっぱりか…。
どこ行ってもなかなか会えない。どれだけ焦らすつもりだ。まったく大変なピーチ姫だよ…。

ついでに新聞記者としばらく話をする。普通に旅先でよくある世間話だったから、まさか記事にするなんてさ、誰も、思わない…だろ…?ハハハ…。おかしかったのは名前のスペルを聞かれたくらいか…

ファンの見学は珍しいらしく、選手がしょっちゅうこっちをジロジロ見てヒソヒソ話している。私はシャイなので見られると隠れる。ついでに私は「勘違いしないでよね!あっ、あんたたちのことなんか見てないんだからっ!」、ツンデレだ。てか、お前ら最下位なんだからもっと集中してがんばれよ…

我らがピーチ姫はそれからも全然外に出てこなかったのだけど、ずっと練習場に面した建物の出入口をガン見してたら、いきなり出てきた。なんと上半身裸でいらっしゃいますよ。なんて大胆な!
キリさんは腰に手ポーズでしばらく練習を眺めてた。あー、横顔、男前だなぁ…。そのあとこっちもぼんやり見てた。わー!近くないけど近い!そして半裸!無理!視線で焼け死ぬ!

私は屈強な新聞記者三人の後ろにいたため、私の姿は見えてないはずだ。むしろ隠れたし。
ここで前に出てキリさんにアピールできるようなら、鷹塔摩利なんてとっくにやってないよな…という私に流れる鷹塔家(摩利と新吾参照)の血筋のせいでアピールは無理でした。
このセリフいろんな人に言わせたい。とりあえずミックジャガーが言ったらすごい萌える。「ここでキースの言うことに素直に賛成できるようなら、ミックジャガーなんてとっくにやってないよな…」とか言わせたい。

結局練習でキリさんの姿が見られたのはそのときだけ。とんだ引きこもりキャプテンだよ。



監督囲まれてます


6時半ごろ練習が終わると、監督が来て、いつの間にか増えていた報道陣に囲まれてた。インタビュー30分くらい続いてたな…。
横で暇そうにしてたコーチに、私キリに会いたくて、どこで待ってたらいい?とコソコソ聞くと、「キリならそこのドアから出てくるよ」と教えてくれた。
そこのドア、って、めっちゃ「男子トイレ」って書いてあるんですけど。こんなとこが出入口なの?
キリさんは森の精じゃなくて、男子トイレの精だったのか…。
(↑ギャグマンガ日和参照)

そのドアの前のベンチに座っていると、帰っていく選手がみんな「俺?俺じゃないの?」という期待の目でジロジロ見てくる。ほんとにすみません。名前も顔もわかりません。2006年までの数回しか試合見てません。日曜の試合はみたけどそれだけじゃ私服着られるとホント無理。プリメロかどうかすらわからない。適当に写真とってもらえばいいかもだけど、キリさんに備えてスタンバイ態勢でいたいんだ。イケメンがいくらいっぱいいても、私にはひとりだけ!
それにしてもシャワールームから石鹸のいい匂いがするな。通り過ぎる選手みんないい匂いがする。ちょっといい匂いすぎて意識がもうろうとするからドアをちゃんと閉めてほしい。私変態みたいだな。

来たときからウロウロしてたユース?のコーチ(←すごいイケメン)が話しかけてくる。キリさんがいつ来るかと思うと緊張してうまく話せない。というかキリさんに集中したい。コーチには悪いが話を切り上げたい。私キリに会いたくて来たの、と話の流れをぶったぎって言うと、コーチはあれ?という顔をして、別のコーチに「キリってどこだっけ!」と聞く。ちょっと離れたとこにいた別のコーチは「エルキリー?せふえ〜」と答える。キリには定冠詞「エル」がつくのだ。萌えるよね。かわいいよね。どこぞの神話の戦う乙女みたいだよね。私もこっちではエルキリーって呼んでる。ところでさ。

私「せふえ…」
コーチ「se fue.」
私「ya se fue?」
コーチ「si.」

fueはirの三人称過去形で英語でいうところの「went」、これにseをつけると「しちゃう」みたいな「away」みたいなニュアンスがでる。
まぁ要するに「行っちゃった」ですよ。

あっちのドアからさっき帰ったよー、とのこと。あっちのドア。さっき見張ってた、練習場に面したドアだ。たしかにそっちが駐車場に近いし、新聞記者もいない。

やっぱりキリさんは男子トイレの精じゃなくて、森の精だったんですね…。(←結論)

私が呆然としているのを見て、コーチは「明日!明日朝9時からまたここで練習だから!」と教えてくれる。えっ、私、そんなに落ち込んでますか?
明日、明日ね…どうせ明日はブエノスアイレスに帰るだけなんだから、朝また来て、夕方にブエノスアイレス帰ればすむ話だ。うん…楽勝だよ…

それからコーチは「他の好きな選手呼んできてあげるよ!誰がいい?」と親切にも言ってくれるけど、「いや、明日また来ます…」と断って帰る。ユニフォームにキリさんのサイン貰えたらほかの選手のもノリでもらおうかとは思ってたけど、キリさんがいちばん最初じゃなきゃ嫌なんだ…乙女心が複雑ですみません…。



あーあー こっちがわにスタンバイしてれば会えたのよ


そして帰ると言ってもバス停がどこにあるのやら…。入口の兄ちゃんに聞くと、公道までひたすら歩いて、来た方向へ4ブロック歩けば107番のバス停があるらしい。



公道が見えない…


草原の中の長い一本道を、暇つぶしに石を蹴りつつ歩く。石を蹴りながら歩くなんて小学校以来ではないか。でもなかなか公道には近づかない。石は溝に落ちる。斜陽。花畑。轍。私にはウスワイアよりここのほうがずっと世界の果てみたいな気がする。
さっきはショックで呆然としたけど、今こうやって一人で果てしない道を歩いていると、なんだかじんわりくるものがあるな。



パロスペルデス周辺はマジでこんな感じです。世界の終わりとパロスベルデスフェアリーワンダーランド。


いや、泣いてない、泣いてなんかないんだぜ!だって私には明日があるんだからな!ハハハ!おあいにくさま!私には希望しかないぜ!しかしこの一本道はなんて遠いんだ、いくら歩いてもまったく進んだ気がしないな!でも泣いたりなんかしない!そんな涙は無駄だ!明日キリさんに会えるんだもの!

悶々として歩き続けていると、後ろから荷馬車が来る。変な兄ちゃんだったら関わりたくないので顔を伏せる。
声をかけられたので仕方なく振り向くと、インディオっぽいおばちゃんと小さな娘二人だ。おばちゃんは「遠いから乗っていきなさい」と言った。

親切に甘えることにする。遠いとかそういうのより今は誰かに親切にされたい気分なんだ。荷馬車は乗るのも一苦労だし、超揺れる。つかまってないと落ちる。ある晴れた昼下がりに荷馬車にゴトゴト乗せられるなんて、まさにドナドナ。
けっこう長い時間乗っていた。公道まではほんとに遠いし、公道に出てもバス停は見渡す限り、ない。というか「4ブロック」なんて数えるような建物がない。

おばちゃんは公道のとは違う、脇道をさらに行ったところにあるバス停手前まで送ってくれた。バス停手前のゴミ箱でゴミあさりをするらしい…。
そのバス停にちょうどいつも乗ってる110番のバスが来たのでラッキーだった。



ありがとうおばちゃん


再び食欲がないので、夕飯はセントロのおしゃれカフェでマテ茶とケーキ。レモンパイすごいおいしい。私は泣いたりなんかしない。






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