2008/10/22 緑の棒を投げて!私が何度でも取りに行くから!


※グーグルアースで見るとロサリオはこんな感じ
※グーグルアースで見るとパロスベルデス周辺はこんな感じ


ロサリオ7日目で〜す。パロスベルデス2日目で〜す。わははは…。いつまで私ここにいるのか…。だけど今日こそ決める…決めてやる…と意気込んでホテルはチェックアウトする。

9時半ごろ、タクシーでスムーズにパロスベルデス到着。選手はまだあまり外に出てない。
やっぱり新聞記者は何人かいる。毎日すごいな。ちなみにみんな昨日とは別の人。

練習見学1日目はいいけど他の選手スルーしたのに2日目って微妙だよな、ストーカー度が急上昇だよな、私ほんとにキモいな…と朝から無駄に落ち込みながらベンチでぼんやりしてると、新聞記者が「きみ、キリノ?」と聞いてくる。
「そうだけど…なんで?」
「新聞載ってたよ、ほらここ」
「はぁぁぁ?!」

ロサリオの試合の翌日に私も買った、大手新聞の、スポーツ面。監督がめっちゃ真面目にインタビューしてる下にでかでかと私が。



わー…


そのとき私は羞恥のあまり、うめきながら顔をおおってクラブハウスの壁に額をぶつけるという、気持ちわるいリアクションをしてしまった。ちょっと涙すら出た。記者さん驚かせてすみません。穴があったら確実に入ってました。
それからその記者は「もうロサリオで有名になったね〜」と言いつつ「記念にあげるよ」とその新聞をくれました。

恐る恐る見ると、紙面上(無駄にカラー)の私は「あーなんかもうスペイン語わかりません勘弁してくださいアハハ」みたいな中途半端なジャパニーズスマイルだ。撮るならしっかり笑顔作るから!ていうかキリを用意してくれたら最高の笑顔みせてやるから!
文章もちょっとついてたけど、こいつキリ好きすぎだろww、みたいな内容。恥ずかしすぎてまともに読めない。そして下の名前だけだけど実名が出ている…。

こんな有力紙の監督インタビューの下…だと、ロサリオオフィスの人とか、スタジアムであった人とか、ツーリストインフォメーションの兄ちゃんとか、ホテルの人とか、タクシーでサッカー話した人とか、ましてや、キリさん…本人………が見るかもしれない…よ…ね。は、恥ずかしい! オフィスの人とか「まだこいつロサリオいんのかよw」と思うよな…。いや、もちろん、純粋に旅行者としては旅のいい思い出です、ありがとう!と思うけど、ストーカーにとっては公開処刑でもある…ほんとに恥ずかしい…。

そもそも私は、最初、ロサリオの練習場を調べて、こっそり行って、キリさんを物陰から粘っこい視線で見守って、帰りがけにフェンス越しにでも車の窓越しにでもサインをもらって…それだけが目的だったはずだ。ほかのチームじゃファンはみんなやってる、それだけのことがなぜうまくいかず、代わりに
・チケットプレゼント
・スタジアム特別見学
・新聞掲載
と、こんなことになっているんだ…私は元来見つめあうと素直におしゃべりできないTSUNAMIレベルにシャイな生き物であるはずが、これだけ見るとすごい図々しくて迷惑かけまくりっぽいではないか…どこでそうなった?わからない…。
いやもちろん私の迷惑ばかりじゃなくて、これはロサリオ市民の優しさでもあって、私がキリキリいってるから、キリさん以外の人たちがキリさん提供の代わりにくれた優しさでもあるわけだ、わかってますとも…しかしやっぱり恥ずかしい…

私が30分くらい葛藤しているといつの間にかキリさんはクラブハウスから出てきて遠くのフィールドでミニゲームに参加していたらしかった。このときだけでなく、ロサリオの練習は一応見られるけど、立ち入り許可ゾーンから遠くでやるからかなり見にくい。すっごい望遠レンズ付きのカメラがないと写真は無理だ。

クラブハウスにキリさんが戻ってくるとき記者たちが私に「ほらほら君の好きなキリが歩いてるよ」とか言ってくるのでまた恥ずかしくて死にそうだった。

あとみんなに菓子パンを配ってる記者がいて、私にもくれた。記者はみんな仲良しで、ずっとサッカー話をワイワイしてる。そのあとまたパン食べるかと聞かれたのでそれは断ったら、他の記者から「その子はパンよりキリが好きなんだよ」とかいじられたりとかする。ひー。もうやめて…私のライフはゼロよ…。

ただ名刺をくれたカメラマンがいて「欲しかったら今日の練習のキリの写真送ってあげるよ」と言われた…それは…嬉しい…ありがとうございます…

12時すぎに練習が終わり、私は今度こそ、駐車場わきの草むらに座って待つ。ここなら誰もいないから集中できるし、両方のドア周辺が見えるし、キリさんが駐車場に来れば確実だ。
なかなか誰も来ないのでぼんやりしたりメール打ったりする。ちなみにロサリオでezwebが使えるのは何故かスタジアム周辺とパロスベルデス周辺だけでした。妖精パワーか…。

しばらくすると、逆光で顔がよく見えないけど見覚えのある歩き方の人が「オラー!」と言いながらこっちに歩いてくる。いつも動画で意外に思う、ちょっと高めの声。
まさかまさかまさか。
「キリ!?」
「シー!」(←yesね)

な、なんという。なんであっちから挨拶してくんの。
そしてすっごいほがらかに「ベン!ベン!」と言う。つまり「おいで!おいで!」だ。

もうキリさんの元まで走っちゃう。ちなみに私は急いでるときは走らなくて幸せなときだけやたら走る。なんかもう私、今、すっごく犬みたい。すてき。キリさんがこっちに向かって手を広げてるけど何これ幻覚?
キリさんの前に立つといきなり「ベソ!」と言われてアブラソ(←ハグね)でドスベソス(←両頬キスね)!ぎゃー!私まだ何も言ってないのに!うちの犬とだってこんな感動の対面したことないよ!
こ、これは、たぶん昨日のコーチか誰かがキリに言ったか、何かがあったと思われる…。

しかもキリさん風呂上がりで超グッドスメルなんだぜ…。死ねる。

私は頭の中が真っ白だけど、キリさんから
「どこから来たのー」
「いつまでいるのー」
「こないだ試合みた?」
とかいろいろ聞いてくる。なんだろうこのひと。超笑顔で超かわいいし幸せオーラがポワポワでてる。

ちなみにやっぱり次の試合はイエロー累積で出られないらしいよ☆彡このやろう☆彡
まさか本人に聞くとはおもわなんだ。

とりあえずユニフォーム(そういえば昨日はユニフォームにコーラをこぼして夜中に洗うという悲しいエピソードもあったな…すぐ乾いてよかった)にサインしてもらう。どこがいいかな、と聞いたら、キリさんは「前!」とおっしゃってました。すてき。ただ周囲には台にするようなものが何もないから布には書きにくくて、私が下に手を当てようとすると、「いや、そっち引っ張って。こっち引っ張るから」と言ってエンブレムの横にさらさらと書いてくれました。あの、先輩、これってはじめての共同作業ってやつですか!あーもう、キリさんを先輩と呼びたい…生徒会長でも応援団長でもいい…なんだこの願望…

写真撮りたいけど他に誰もいなかった(そう!野原の真ん中にふたりきりなのさ☆彡なんだこのシチュエーション☆彡)ので、キリさんはわざわざ大声で遠くにいた女の子を呼んでくれました…
そしてもちろん肩に手をまわすんだぜ…死ねる…
ちなみにその女の子もファンらしくて、私もそのあと写真撮ってあげた。

ファン的フルコース(ハグ・話・サイン・写真)が達成されたし、そろそろチャオということでまたドスベソス。またもグッドスメル。わ、私は動けない…。
それでチャオー…かと思ったけど、ちょっと待ってキリさん!やっぱりソロの写真もほしい!と思い出したのでソロの写真も撮らせていただきました。



ラブソースイート!

そのあと最後にあらためてもう一回ベソだ。な、なんというスウィートな。
ちなみにキリさんの車はそこにあった中でいちばんかっこよかった黒のプジョーです☆

キリさんに会えただけで嬉しかったけど、最初から予想以上にフレンドリーで(コーチの暗躍もあるだろう)、幸せオーラ出しまくりで、私の時間かかるスペイン語にもちゃんと対応してくれて、フルコース余裕で達成で、グッドスメルで、いろいろびっくりしました…。私はもっと何も言えなくて迷惑かけたりとかキリさんを引き止めるのに苦労したりとかそんなのばかり心配してたけど、そんなのはひとつも起きなかったのだ。試合見れないのに惚れ直させないでください…

キリさん立ち去り後もやはり異常な興奮状態は続き、写真撮ってくれた女の子(マウリとかそういう名前だった)としばらく話す。彼女はファンでもあるけどロサリオセントラルの女子サッカークラブでプレイもしてるらしい。すげーな。マウリに新聞見せたらすごいウケてた。
そのあとエディーとかいうイケメン選手が来てマウリは彼が本命らしかったので私が写真撮った。私も撮ってもらおうかと思ったけど今日の私はキリの忠犬になので結局スルーしてしまった。

さて帰るか、待ってろよ一本道、今日はいくらでも歩いてやるぜ、と思ったら、母から電話がきた。特に用はないけど何してんの、キリには会えたの、と。このひとエスパーか?とりあえず一部始終を話した。

それから昨日の一本道を「来た!見た!勝った!」とか言いながら走ったり歩いたりしてると(あ、半径300メートル以内に誰もいませんからね!)、横にタクシーがとまる。さっきの新聞くれた記者(名前はルカス)だ。「セントロまで行くなら乗っていきなよ」とのこと。わー親切。
そういうわけで記者と、荷物チェックがあるのにどうやってサポーターは花火をスタジアムに持ち込んでるのか(結論→荷物チェックがいい加減)、などとダラダラ話していたらセントロに着いた。
昨日といい今日といい、妖精の国パロスベルデスから現世に戻ってくる方法は「他力本願」がベストな気がします…




※後日、本当にカメラマンの方から写真を送っていただきました!
あうあうあうあうあう!以下一部お裾分けです!どうぞ!
(いただきものなので転載は無しでお願いします)









後記的ななにか。

今年キリさんは34歳で、サッカー選手としては引退が迫る歳です。ロサリオに行ってからは日本ではほとんど試合が見れなくなり、スカパーでの放映はついになくなりました。ボカやリーベルならまだしも、ロサリオのようなチームでは来日する機会もありません。私はキリさん目的でバレンシアまで行っておきながら、一度も話したことがない!サインももらってない!写真だってとってない!というのがずっと心の中にひっかかっていて、働きながらもずっと「行きたいなあ、でもそんな簡単には行けないなあ、夏休みもお正月もシーズンオフだし」という迷いと、キリさんが選手であり続ける期限はそう遠くないんだ、という意識がありました。旅の目的は他にもたくさんあったけど、そういう悶々を抱き続けていたので、最後はやっぱりアルゼンチン、キリさんでしめたいな!と思っていました。
結果的にはハッピーエンドですが、ごらんのとおり、やたらドジも遠回りもしてしまいました。でも、ほぼ全編スペイン語で、失敗続きのなか、よくめげずにがんばったな自分!と思います。結果的にキリさんから呼んでもらえた〜ってことになったのは、やっぱり失敗があったからこそですし。スタジアムで会えなかった時点で諦めないでよかった…。
目的はキリさんに会うことだったけど、その過程もすごく充実してました。本当にロサリオのみなさんには迷惑かけまくりで…ありながら、とても親切にしていただいて…人間っていいなぁ…と感じ入りました。ここで感謝しても意味ないかもしれませんが本当にありがとうございました…。ここ数日でバタバタとがんばったことといろんな人に会えたことは一生の思い出になったと思います。
そしてもちろん、滞在中のブログを読んで応援してくださった方々も、私の悶々とした独り言を聞いてくださってどうもありがとうございました!


桐野




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